価値ある金貨と価値ある銀貨|ちょっと待った!買取に出す前に
価値ある金貨と価値ある銀貨|ちょっと待った!買取に出す前に
お父様から金貨・銀貨を資産として相続した。
お祖父様の遺品として金貨・銀貨のコレクションが出てきた。
そして今、その金貨・銀貨を貴金属買取業者の査定に出そうとしているそこのあなた…
ちょっと待ってください!!
お手元にある金貨・銀貨の「本当の価値」を知りたくないでしょうか。
「アンティーク金貨・銀貨」だった場合、桁違いの高値で売れる可能性があります。
あなたが売却時に損をしないために、金貨・銀貨の価値について体系的にまとめました。
この記事を読むと、貴金属買取業者のサイトに載っていない金貨・銀貨の本当の価値を知ることができます。
そしてお手元の金貨・銀貨を一番高値で売却することができます。
それでは見ていきましょう。
価値のポイントは「金銀相場に連動するか否か」
金貨・銀貨には「金銀相場に連動するコイン」と「金銀相場に連動しないコイン」があります。
特に中世など昔の外国コインは、金銀相場に連動しない「希少価値(付加価値・情報価値)」で取引されている美術品である可能性があります。
そのようなコインを「アンティークコイン(アンティーク金貨・銀貨)」といいます。
貴金属買取業者はこのアンティークコインに関しては、相場が分からず適正価格「以下」で買取してしまう可能性があります。
理由は貴金属買取業者がアンティークコインの「精通者」ではないためです。
そのため金銀相場やコインブックに記載されている金貨・銀貨の過去の「評価額」をもとにした社内買取価格などを参考にして見積もりを出します。
コインブックとは、世界のアンティークコインを網羅した分厚い本です。


コインブックに記載されている「評価額」は実際の「時価額(価値)」と大きく異なっていることがあります。
具体的には、評価額は実際の時価額(価値)より小さい金額で記載されています。
そのため価値がある金貨・銀貨を適正価格以下で売却してしまう可能性があるのです。
詳しくは、アンティークコイン投資に失敗しないために!5つの実例でわかる失敗の特徴と解決策の"アンティークコイン投資の失敗例4. 「安値で売却してしまった」"をご覧ください。
お手元の金貨・銀貨の価値を正しく判断するために、まずはアンティークコインではない、金銀相場と連動するコインから見ていきましょう。
金相場に連動する金貨の種類
金相場に連動する金貨とは主に「金」という貴金属に対して投資するための金融商品です。
三菱マテリアルや田中貴金属などの大手貴金属取扱店や大手コインショップなどで購入できることが特徴です。
金の含有量が価値であり、金相場が価格に影響します。
具体的には、24K(金9.99%)、22K(金91.6%)などの「金」の品位が重視されます。
この金相場に連動する金貨は主に2種類に分けることができます。
「地金型金貨」と「収集型金貨」です。
これらの金貨は、大手貴金属取扱店や貴金属買取業者へ売却した方が適正価格であり、安心して売却することができるでしょう。
地金型金貨とは
地金型金貨とは投資用に鋳造された金貨です。
金の時価相当分に「プレミアム」という発行にかかる費用を加算した価格で販売されます。
そして売却時には金相場によって買取価格が決定します。
また、各国の政府が発行しているため価値の信用があります。
地金型金貨の種類は、メイプルリーフ金貨・カンガルー金貨・イーグル金貨・バッファロー金貨・ウィーン金貨・パンダ金貨・ブリタニア金貨・クルーガー金貨の8種類です。
地金型金貨の中でも代表格は「メイプルリーフ金貨」です。
メイプルリーフ金貨は世界一の流通量を誇っています。
地金型金貨一覧(ゴールド)
メイプルリーフ金貨 |
発行国:カナダ カナダ中央政府が毎年発行している金貨。 |
カンガルー金貨 |
発行国:オーストラリア バース造幣局が発行している地金型金貨。 |
イーグル金貨 |
発行国:アメリカ合衆国 アメリカ合衆国で発行されている地金型金貨。 |
バッファロー金貨 |
発行国:アメリカ合衆国 アメリカ合衆国で発行されている地金型金貨。 |
ウィーン金貨 |
発行国:オーストリア オーストリア造幣局が毎年発行している地金型金貨。 |
パンダ金貨 |
発行国:中華人民共和国 中国の造幣局が毎年発行している地金型金貨。 |
ブリタニア金貨 |
発行国:イギリス イギリス王立造幣局が発行している地金型金貨。 |
クルーガーランド金貨 |
発行国:南アフリカ共和国 南アフリカ共和国の造幣局発行の地金型金貨。 |
続いて「収集型金貨」を見ていきましょう。
収集型金貨とは
収集型金貨とは各国で発行される記念金貨を指します。
ここでいう収集型金貨とはおおよそ100年以内に発行された金貨と定義します。
また、オリンピック記念のようなメダル要素が強い金貨も含みます。
収集型なので、枚数限定で発行されます。
そのため限定性の価値が生まれ、地金型金貨より高く発売されます。
金貨の発行枚数が限定されているため、コレクター要素も強く人気商品の一つです。
プレミア価値が付くこともあり、購入価格より高く売却することもできます。
しかしながらプレミア価値が付いていない金貨も多くあります。
そのような金貨は金相場や販売価格をもとに買取されます。
以下は収集型金貨の一例です。
収集型金貨一例(ゴールド)
マン島キャット金貨 ![]() |
発行国:マン島自治政府 イギリス領マン島が発行していた収集型金貨。 |
中国十二支金貨 |
発行国:中華人民共和国 中華人民共和国が発行する収集型金貨。 |
インディアン金貨 |
発行国:アメリカ合衆国 アメリカ合衆国で発行されていた収集型金貨。 |
ソブリン金貨 |
発行国:イギリス 約200年の歴史があるイギリスの収集型金貨。 |
ナポレオン金貨 |
発行国:フランス フランス発行の収集型金貨。 |
番外編 通貨型金貨
番外編として「通貨型金貨」をご紹介します。
通貨型金貨とは額面と同じ金額の通貨として使用することができる金貨です。
通貨として使用はできますが、貴重品のためコレクションとして人気があります。
そのため額面以上のプレミア価格で取引されています。
この通貨型金貨は貴金属買取業者への売却でも問題はないでしょう。
通貨型金貨一例(ゴールド)
天皇陛下御在位六十年記念金貨 |
発行国:日本 昭和天皇の在位60年の記念金貨。 |
天皇陛下御即位記念10万円金貨 |
発行国:日本 1990年に日本で発行された記念金貨。 |
それでは続いて銀貨を見ていきましょう。
銀相場に連動する銀貨の種類
銀貨も金貨と同様です。
銀相場に「連動するコイン」と「連動しないコイン」があります。
大手貴金属取扱店や大手コインショップなどで購入できる「地金型銀貨」「収集型銀貨」がこれに該当します。
金貨同様、「銀」という貴金属に対して投資するための金融商品です。
銀の含有量が主な価値であり、銀相場が価格に影響します。
これらの銀貨も、大手貴金属取扱店や貴金属買取業者への売却が適切です。
地金型銀貨一覧(シルバー)
メイプルリーフ銀貨 |
発行国:カナダ カナダ中央政府が毎年発行している銀貨。 |
カンガルー銀貨 |
発行国:オーストラリア バース造幣局が発行している地金型銀貨。 |
イーグル銀貨 |
発行国:アメリカ合衆国 アメリカ合衆国で発行されている地金型銀貨。 |
バッファロー銀貨 |
発行国:アメリカ合衆国 アメリカ合衆国で発行されている地金型銀貨。 |
ウィーン銀貨 |
発行国:オーストリア オーストリア造幣局発行の地金型銀貨。 |
パンダ銀貨 |
発行国:中華人民共和国 中国の造幣局が毎年発行している地金型銀貨。 |
ブリタニア銀貨 |
発行国:イギリス イギリス王立造幣局が発行している地金型銀貨。 |
クルーガーランド銀貨 |
発行国:南アフリカ共和国 南アフリカ共和国の造幣局発行の地金型銀貨。 |
これらの銀貨も、大手貴金属取扱店や貴金属買取業者への売却が適切です。
続いては収集型銀貨一例です。
収集型銀貨一例(シルバー)
干支銀貨 |
発行国:オーストラリア オーストラリア・パース造幣局発行の収集型銀貨。 |
カワセミ銀貨 |
発行国:オーストラリア バース造幣局が発行している地金型銀貨。 |
この他にもたくさんの収集型銀貨があります。
それではこれまでご紹介してきたコインと「アンティークコイン」はどこが違うのでしょうか。
アンティークコインとは
アンティークコインとは発行からおおよそ100年以上経った金貨・銀貨です。
「地金型」「収集型」の金貨・銀貨は主に店頭で購入することができます。
そして貴金属そのものに価値をおいています。
(一部コインはプレミア価値が付いており高値で取引されています。)
それに対し、「アンティークコイン」は、美術品として主にオークションで購入します。(店頭で購入もできます。)
そして希少価値(付加価値・情報価値)の部分に大きな価値が乗っています。
そのため希少性が高く人気のアンティークコインは本来の金貨・銀貨としての価値を遥かに超える高額になることも多いです。
一例として、こちらの金貨は2021年になんと約1億7000万円で落札されました。
通称「ウナとライオン」と呼ばれ、最も美しい金貨と言われています。
ウナとライオンの金の品位は「.917(22K)」、重量は約「39.94g」です。
2022年1月時点の金相場をもとに計算すると、貴金属としての価値は約26万円です。
これが希少価値(付加価値・情報価値)の部分に大きな価値が乗っているというアンティークコインのおもしろさです。
つまり、美術品という位置づけになっています。
絵画・スーパーカー・時計・ワインなどのコレクター市場に近いのかもしれません。
そしてアンティークコインは世界で約20万種類以上あると言われています。
おすすめアンティークコインのジャンル5選!【アンティーク金貨・金メダル】
もちろん価値が低いアンティークコインもあります。
しかしアンティークコインは、年月が経つごとに紛失や溶解などによって残存枚数は減っていきますので、希少性は増す一方です。
アンティークコインの価値については、アンティークコインが売れないたった一つの理由!値上がりするコイン売却の方程式の記事をご覧ください。
そしてお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、「地金型」「収集型」の金貨・銀貨も年月が経てばアンティークコインになります。
希少価値が加わって高値になるかもしれません。
本来は金貨・銀貨の分類の境目はなく、価値というものは時や場所によって変動する「不確か」なものです。
そうであったとしても、できる限り価値を理解していて、一番高く買ってくれる方の手に渡って欲しいものですよね。
きっと美術品として大切にしてくれるでしょう。
それではお手元の金貨・銀貨の本当の価値をどのように判断すればよろしいのでしょうか。
アンティークコインの価値の確認方法
アンティークコインの価値を判断するために、まずご確認いただきたいことがあります。
それは「スラブケースに入っているか否か」です。
スラブケースとは樹脂性の透明プラスチックケースです。
(スラブケース例)
このようなケースに入っている金貨・銀貨は「鑑定済みのコイン」です。
鑑定会社は次にご紹介するアメリカの2社が最も権威を持っています。
多くの金貨・銀貨はこの2社のスラブケースに入ることがほとんどです。
NGC (リンク先:Numismatic Guaranty Company)
NGCとは、アメリカにある世界最大級のグレーディング会社です。
アメリカのスミソニアン博物館や上海のミントミュージアムなどの博物館の展示コインを数多く鑑定してきた実績があります。
PCGS (リンク先:Professional Coin Grading Service)
PCGSとは、こちらもアメリカにあるコイン鑑定の業界スタンダードとして広く認知されているグレーディング会社です。
スラブケースに入っている金貨・銀貨は、真作(本物)と保証されているため、ケースに入っていないものより価値が高いです。
また「証明ラベル」が一緒に封入されています。
そのラベルには鑑定した金貨・銀貨の価値を証明する「グレーディング評価」の英数字と「認定番号」が記載されています。
(NGCのグレーディング評価 例1)
(NGCのグレーディング評価 例2)
(NGCの認定番号 例)
この「グレーディング評価」の英数字と「認定番号」を鑑定会社の検索フォームに入力すると金貨・銀貨の詳細を確認することができます。


そして金貨・銀貨の銘柄によっては直近の取引価格を確認することができます。
この方法で金貨・銀貨の価値を知ることができます。
鑑定会社で価値を確認できない場合
しかしながら先述の方法で価値が確認できない場合もあります。
その場合はグーグルで検索することをおすすめします。
具体的な検索方法は、「①国名 ②年号 ③金貨または銀貨」と入力します。
その検索結果の1〜2ページ目を確認し、お手元の金貨・銀貨が表示されていればおおよその価値(販売できる金額)が確認できるかと思います。
もしもスラブケース入りの金貨・銀貨だった場合は「グレーディング評価」の英数字も合わせて検索するとより正確に価値を把握できます。
大切なことは、「この金貨・銀貨は価値がありそうなので売却は慎重に行わなければならない」と分かることです。
金貨より銀貨の方が価値が高い時もある
アンティークコインの価値は、貴金属としての価値より希少価値(付加価値・情報価値)の部分が大半を占めます。
そのため、銀貨であったとしても高額になる場合があります。
有名な一例として、アメリカのフローイング・ヘア・ダラー銀貨があります。

こちらの銀貨はなんと2013年に約11億円で落札されました。
額面は「1ドル」の硬貨です。
桁が大きすぎて驚いてしまいますね。
そのためお手元のコインが銀貨だった場合でも、しっかりと相場を調べてから売却されることをおすすめします。
お手元の金貨・銀貨が価値あるアンティークコインだった
もしもあなたのお手元の金貨・銀貨が価値あるアンティークコインだった場合は真剣に考える必要があります。
売却方法は「買取」だけではなく「オークション出品」や「委託販売」などもあります。
売却先は「日本」だけでなく「海外(外国)」もあります。
売却の方法や場所によって、売却額は大きく変わります。
ご自身で売却を検討される場合は、当社の「コイン相場解析サービス」をご利用されることをおすすめします。
当社独自のシステムにより、過去20年間の日本を含む世界中のコインオークションの落札価格を抽出することができます。
そしてその抽出データをもとに「コイン相場チャート」としてグラフ化するサービスです。
また、抽出した落札データで「どの国」の「どこのオークションハウス」で「いくらで落札」されたのかなど取引履歴の詳細まで確認することができます。
落札データを活用して、できる限り適切な場所で売却することをおすすめします。
また、
・スラブケースに入っていない未鑑定の金貨・銀貨だった
・売却先を最適化したい
などサポートのご希望がございましたら当社にて売却までお手伝いをさせていただきます。
成果報酬型(%)でのお承りを考えております。
チャットまたはお問い合わせからお気軽にお問い合わせください。
いかがでしたでしょうか。
価値とは一定ではなく、時間や場所などにより変化するものです。
また機械的に決まるものでもなく、人対人のため、人間の心理や状況・場所によって大きく異なります。
それでもできる限り、大切に扱っていただけそうな買い手の方に適正な価値でお渡しすることができればその金貨・銀貨もきっと幸せですよね。
ご不明点などございましたらお気軽にお問い合わせくださいませ。