アンティークコインが売れないたった一つの理由!値上がりするコイン売却の方程式
アンティークコイン売却時の不安…
アンティークコインを投資やコレクション目的で収集した後、現金化するために売却しようとしたとします。
その時に「売りたいのに売れない」ということはよくあることなのでしょうか。
美術品そして現物資産であるアンティークコインは、コレクター市場ということもあり株式などに比べると流動性は低いです。
売却して手元に現金が来るまでには時間がかかってしまいます。
しかしながら売れないということはなく、ほぼ確実に売ることができます。
「アンティークコインが売れない」の真意は「いざ売ろうとした時に思った金額で売れない」「売却益を出して売れない」「損してしまう」ということではないでしょうか。
これらのことが頻繁に起こり得るのであれば投資として非常に不安です。
それではしっかりと売却益を出してアンティークコインを売るにはどうすればよいのでしょうか。
この記事を読むと「アンティークコインは売れないのでは」という不安を取り除くことができます。
またしっかりと売却益が出るアンティークコインの選定方法を学ぶことによって、実際の売却時に「損してしまった!」という精神的苦痛を徹底的に回避することができます。
アンティークコインが売れないたった一つの理由
結論から言いますと、アンティークコインが売れない理由は「購入前にエグジットまで想定してリサーチしていなかった」という一点に尽きるかと思います。
インターネットで検索した中で挙げられていたその他のアンティークコインが売れない理由として、
・値上がりするまで保有せず短期売買しようとしている
・贋作(偽物)だった
などがありました。
これらも売れない理由としてそのとおりだと思います。
アンティークコイン投資は長期保有が基本で、真贋の見極めも非常に重要です。
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アンティークコイン投資に失敗しないために!5つの実例でわかる失敗の特徴と解決策
では、長期保有しており真作(本物)だったにもかかわらず売却益が出ないのは何が原因なのでしょうか。
エグジットとは「出口または売却」という意味で株式を売る時にも使われる言葉です。
つまりはアンティークコインの購入前に、売却時のことまで具体的に考えていなかったということです。
アンティークコイン購入前に具体的にリサーチすることは下記の2つのみです。
アンティークコイン購入前に具体的にリサーチする2つのこと
それは、
1. 誰に売るのか
2. 何を売るのか
の2つです。
言葉で表すとシンプルではありますが、データを根拠にしっかりと「事前に」「具体的に」リサーチすべき重要な事項です。
一つずつ見ていきましょう。
購入前に具体的にリサーチすること1. 誰に売るのか
まずは「誰に売るのか」を事前に考える必要があります。
それは大きく2つに分けると相手が「日本人」か「それ以外の外国人」かです。
言い換えると「日本で売った方がいいのか」「海外で売った方がいいのか」を事前に調べる必要があります。
理由は日本と海外では人気コインの銘柄、価格が異なっているからです。
おそらくは使用言語が違うため、触れる情報も異なってくるのではと考えられます。
日本と海外が同じように価格上昇しているコインもあれば、日本のみが過熱気味に価格上昇しているコインもあります。
誰に売るかを判断する具体的な情報は、オークションや販売店の過去の売買履歴(落札履歴)です。
今はインターネットが発達しているため、日本・海外ともに過去のオークション落札価格などを無料で見ることができます。
また同じ国のオークションハウスでも、取り扱われるアンティークコインのジャンルや年代などさまざまで特色や傾向も異なります。
地道な作業ですが調べれば調べた分、売却に適した国やオークションを見つけることができます。
世界中のコインオークションまとめサイト2社をご紹介
以下に世界中のコインオークションのまとめサイト2社をご紹介します。
(日本のコインオークションも含まれています。)
・NumisBids ヌミスビッズ
(提供元国:アメリカ合衆国)
これらは主にアンティークコイン・モダンコインなどの金貨銀貨を取り扱いしているコインオークションに特化した「コインオークションまとめサイト(キュレーションサイト)」です。
各オークションハウスのサイトから過去の落札履歴が見れるようになっています。
外国語のサイトが大半を占めますが、これらは非常に重要な情報源です。
お時間がある時に、一度ご覧になられて見てください。
値上がりするコインの売却には、日本市場だけでなく海外市場も視野に入れることが大切です。
購入前に具体的にリサーチすること2. 何を売るのか
購入前に具体的にリサーチする2つ目として「何を売るのか」を考えなければいけません。
「何を売るのか」=「何を買うのか」です。
持論ですが、アンティークコインは投資対象商品以前に、歴史的価値をもつ「美術品」です。
コレクションとして楽しみつつ、投資としても有効活用するという、『コレクター「賢」投資家』であることが理想だと私たちは考えています。
そのため大前提として、ご自身が「手に入れたい・コレクションしたい」と感じるような、胸がときめく魅力的なコインを選ぶべきです。
そのうえで、その魅力的なコインは将来値上がりする可能性が高いのかどうかに焦点をあてて購入を検討する必要があります。
値上がりするコインの重要ファクター
値上がりするコインを見極めるためにはいったい何のファクター(要素)を見ればよいのでしょうか。
まずは前述の過去の落札価格です。
これは実際の販売履歴のため非常に強い根拠になります。
しかしながらあまりにもレアなコインで、過去の落札価格が全くない場合も考えられます。
そのような時に考えたい重要なファクターは、「羨望度(ラグジュアリー度)」です。
この羨望度(ラグジュアリー度)はアンティークコインだけでなく、その他のコレクター商品やプレミアム価格がつく商品にも当てはまります。
羨望度(ラグジュアリー度)とは
「羨望度(ラグジュアリー度)」とは一般にはなかなか叶えることや手にすることができず、多くの人が「羨ましい」「憧れる」「手に入れたい」と想うエネルギー度数です。
飛行機のファーストクラスや、一流ホテルのスイートルームなども羨望度が高いサービス・商品です。
ファーストクラスやスイートルームは一般の価格より数倍から数十倍高く価格が設定されています。
そして予約が埋まっていたり、紹介制であったり、誰もがそのサービス・商品を利用できるわけではありません。
数自体が少ないのです。
しかしながらサービス・商品はその価格の倍数分、質が良いということではありません。
ある一定の基準を上回ると、サービスに対して感じる満足度にそれほど大きな差は生まれなくなっていきます。
それでは人は何に価値を感じ、数倍から数十倍高いサービス・商品にお金を支払うのでしょうか。
それが、この「羨望度(ラグジュアリー度)」です。
羨望度(ラグジュアリー度)= 情報価値(付加価値)の高さ
と言い換えることもできるかもしれません。
皆が「羨ましい」「欲しい」と思っていることを「叶えている」「手に入れている」という特別感・満足感に価値がついているのです。
コレクター市場であるアンティークコインもこの羨望度(ラグジュアリー度)が非常に大きく関わっています。
つまり、この羨望度(ラグジュアリー度)が高いであろうコインを選ぶことが値上がりするコイン売却のために必要なのです。
「モナリザ」事件
あなたは「モナリザ」という絵画をご存知でしょうか。
当たり前だろうと声が聞こえてきそうなぐらい世界的にも超有名な絵画だと思います。
天才レオナルド・ダ・ヴィンチによって10年の年月をかけ描かれた謎多き作品です。
価値がありそうな絵画モナリザですが、それは高額なのでしょうか。
アンティークコインと比較してどうなのでしょうか。
モナリザの制作年は1503年から1506年の間と言われているため、制作年だけでみると紀元前に造られた金貨銀貨もあるアンティークコインの方に軍配があがりそうです。
ここにおもしろいお話があります。
モナリザはある時から価値が跳ね上がったようです。
モナリザはフランスのパリにあるルーブル美術館で展示されていたところ、1911年になんと盗難されてしまいました。
モナリザという作品は唯一の1品しか存在しないため、盗難となれば大問題です。
美術館の館長はそれはそれは血相を変えていたでしょう。
この事件が世界で話題になり注目されたのをきっかけとして、人々の認知度が一気に上がったそうです。
行方不明のまま時間が経ち、モナリザが見つかったのは約2年後でした。
そしてその時からこのモナリザの価値が一気に上がりました。
モナリザという作品には謎が多く、男性なのか女性なのか、だまし絵なのか、何か暗号を隠しているのかなど、現在に至るまで人々を魅了し続け、研究の対象となっています。
つまり人気があるということです。
レオナルド・ダ・ヴィンチ作品全体の価値も一気に上がったようです。
モナリザは現在ではルーブル美術館で厳重に保管されており、価格がつかないぐらいの価値を持っています。
モナリザの価値をイメージするために、実際に落札価格がついているレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画作品を一つご紹介します。
レオナルド・ダ・ヴィンチが描いたイエス・キリストの油絵です。
2017年になんと約508億円で落札されています。
モナリザはこの価格よりも価値があると言えそうです。
絵画「モナリザ」はなぜ高額(高価値)なのか
モナリザ盗難事件の例から分かることは、
・認知度が上がってから価値が上がった
・唯一の1点モノだったため大問題になった(希少性が高かった)
ということです。
盗難事件がなければ世界中の人もあなたも「モナリザ」というワード自体知らなかったのかもしれません。
また、「モナリザ」という作品が10点存在していたとしたら、盗難にあっていなかったのかもしれまん。大問題にまでは発展しなかったのかもしれません。
事件の結果、人気アップ、認知度アップ、希少性アップ(相対的にモノがさらに少なく感じた)したので、羨望度が高まり値上がりしたというのがモナリザが高額(高価値)である理由だと言えそうです。
値上がりするコイン売却の方程式
以上から、値上がりするコイン売却のためには下記の方程式に該当コインを当てはめて、羨望度(ラグジュアリー度)の値が高いコインを選ばなければいけません。
そして今後さらに値上がりしそうかどうか判断する必要があります。
その方程式は、
羨望度(ラグジュアリー度)=人気度(ポジティブか)×認知度(何人知っているか)÷希少性(残存数)
と表すことができます。
人気度(ポジティブか)
まずそのコインに対して人はポジティブかネガティブかを考える必要があります。
コイン鋳造の背景やコインの肖像になっている人物の人気などが大きく影響します。
これはあなたが感じる印象ではなく、次に買うであろう人がどう感じるかをできるだけイメージする必要があります。
世界の歴史は権力と権力のぶつかり合い、侵略・戦争の繰り返しです。
コインの肖像になっている人物は次に買うであろう人の国籍によっては英雄にもなり、侵略者にもなります。
間違いなく、次に買うであろう人がポジティブに感じるコインの方が値上がりしやすいでしょう。
認知度(何人知っているか)
『あなたは「モナリザ」という絵画をご存知でしょうか。』の伏線をここで回収します。
モナリザは日本人の私たちにとっても当たり前だろうと感じるほど認知度が高いため、価値が高まりやすかった、そして実際に高まっているのです。
「ウナとライオン金貨をご存知でしょうか。」と問うと、アンティークコインコレクターやアンティークコインに興味を持ち始めている方にとっては当たり前だろうと感じます。
しかしながら、それ以外の方はまだご存知ではないでしょう。
その認知度の差が価格の差となっているのかもしれません。
インターネットの発達で、アンティークコイン業界自体の認知度が現在もどんどんと高まっていっていますので追い風ではあります。
できる限り、多くの人に認知されている有名なコインの方が値上がりしやすいでしょう。
希少性(残存数)
アンティークコインにおいて希少性とは具体的に何が影響するのでしょうか?
コインの「発行枚数」ももちろん重要ですが、気をつけたいところが「残存数」を意識するということです。
アンティークコインは金貨・銀貨などの貴金属でできていますので、保存状態が良ければ大変綺麗な状態で残り続けます。
しかしながら年月が経つにつれて、紛失・破損・意図的な溶解などによりその数はどうしても減っていきます。
実際の正確な残存数は不明でも、貨幣学や史実から世界の権威のある専門家がおおよその残存数を掲載していたりします。
コレクターや投資家はこの情報をもとに残存数を知り、希少性をはかっています。
この残存数の情報をもとに、残存数が少ないコインを選ぶことで売却時に値上がりしやすくなるでしょう。
いかがだったでしょうか。
羨望度(ラグジュアリー度)が高いと思われるアンティークコインをできるだけ安価または適正価格で入手することができれば、ぐっとアンティークコイン投資の成功が近づいてきます。
値上がりするコイン売却の方程式は価値が保たれる商品でしたら何にでも使えます。
リセールできる商品でしたらメルカリ・ヤフオクなどで売却する時の価格などを想定する際にも使えるかもしれませんね。
ぜひアンティークコイン投資の指標としてお考えください。
アンティークコイン投資を楽しみながら皆で利益を出して潤っていきましょう。
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